金葉和歌集 伝楠木正虎筆本  [貴3196]

〈外題〉「金葉和歌集」
〈内題〉「金葉和謌集巻第一(~十)」
〈巻冊〉1帖
〈体裁〉列帖装
〈書写年代〉安土桃山時代
〈表紙寸法〉縦25.5糎×横17.1糎
〈書入・貼紙〉異本注記あり。細かく切った赤い貼紙が朱点のように多数貼ってある。29丁裏に貼紙あり。
〈奥書〉なし
〈蔵書印〉なし

〈解題〉

表紙は金茶色鳳凰宝相華唐草文裂。見返し金紙。遊紙前後に各1丁。一面10行書き。和歌は基本的に一行書き。詞書は二字下げ。

箱書「金葉集 楠河内守正虎筆」。極札二枚あり、「楠河内守入道長諳〔金葉和歌集全部/外題梶井殿應胤親王〕」、(裏)「発端うちなひき 四半本 壬午五」とある極札には神田道伴の印。「金葉集 楠河内守正虎法名長諳」、(裏)「〔春部/うちなひき〕 四半 甲午六」とある極札には古筆了音の印がみられる。

書写者とされる楠木正虎は、永正17年(1520)生、慶長元年(1596)没。書道を飯尾常房に学び、剃髪した後に長諳と号して、織田信長、豊臣秀吉に仕えた祐筆である。

藤原顕季の「うちなびき」の歌から始まっている点や所収歌、総歌数から、二度本系統第三類本に属するものと思われる。しかし、第三類本には見られない特徴も持ち合わせており、従来の系統分類では把握しきれない写本といえる。

独自異文がいくつか見られ、また、本文中の異本注記には、現存諸本には見られない異文もあり、今後の研究が期待される一本である。

〈参考〉

・松田武夫『金葉集の研究』(山田書院 1956年)

・正宗敦夫『金葉和歌集講義』(自治日報社 1968年)

・平澤五郎『金葉和歌集の研究』(笠間書院 1976年)

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