金葉和歌集 二冊 源俊頼奉勅撰 鎌倉時代中期写

塗箱に納められた列帖装(綴葉装)の二冊本(上下冊共各七折)である。外題は上冊表紙左肩の題簽に「金葉倭謌集全」と墨書、内題は「金葉和謌集巻第一(〜十)」と記す。そのほか、塗箱の内側に「金葉和哥集定家卿息為家手跡」の短冊、上冊表紙右肩に「弐十九 為家卿筆 弐冊」の紙片をそれぞれ貼付。本書の寸法は縦二六・八糎、横一六・四糎で、その文様は薄茶の亀甲形地に金襴花卉紋散。銀砂子に、金箔をちらした見返は、表紙からはがれている(剥離部分に「上 すみつき 九十三まい」の付箋)。本文料紙は斐・楮交漉。墨付は上冊93丁(遊紙は前後各一葉)と下冊107丁(遊紙は前一葉後二葉)で、和歌一首について漢字平仮名交りの二行書(一面八行)。奥書はなく、藤原為家の自筆と断じがたい。
 『金葉和歌集』十巻は、平安時代源俊頼(1055-1129)が白河天皇の勅命で撰した和歌集で勅撰に至る間、初・二・三本と三度編纂された。本帖はその二奏本に属する現存最古本で奥書はないが書風よりみて鎌倉時代中期の書写と認められる。文中には勘物注記等の書入が多く、金葉集研究上に価値が高いと評価して文化庁は昭和57年、重要丈化財に指定した。
(貴1853-1854)

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